指導計画案

(産業ミックス版)

島の自然を生かした人々の暮らし

八丈島(全8時間)

第3時

八丈島の漁業について調べる

八丈島の漁業について調べ、漁業に関わる人々の思いや願いを考える。

学習のポイント

八丈島の魚を使った給食は多くの学校で提供されている。実は自分たちも八丈島で取れた魚を食べているということに気づくことから授業を始める。その給食の材料が届くまでに関わった八丈島の漁師さん、漁業協同組合女性部の人々を取り上げ、思いや願いを考えられるようにしたい。 食育のポイント

板書計画

八丈島の漁業について調べよう

給食

○月○日の給食むろあじの
メンチ→八丈島でとれた魚の料理


かかわっている人

漁師さん
漁師さん


漁業協同組合女性部の皆さん

魚をとり、とった魚を八丈島で
ミンチに加工してわたしたちの
もとにとどけられる。

漁師さんの話から分かったこと

八丈島と黒潮

  • 黒潮
  • ・暖かい海の流れ(海流)
  • (海の浅いところ)
    →よい漁場
  • とれる魚・・・カツオ キンメダイ
  • ムロアジ トビウオ など

  • 苦労
  • ・台風などで海があれると船が出せない。
  • ・昔はとれた魚がとれなくなってきている。

  • 工夫や努力
  • ・目的の魚が取れないときは、別の魚をとる。
  • ・とった魚の鮮度を保つ工夫をしている。

漁業協同組合女性部のとりくみ

漁業協同組合は漁業をする人を助けるための集まり

  • ・漁師さんがとった魚を加工する。
  • ・八丈島の魚を使った料理を研究する。
  • ・八丈島の魚をせんでんする。
  • ・給食で子供たちに食べてほしい。

八丈島の漁業に関係する人の思い

「八丈島のおいしい魚を食べて欲しい」「東京の子供たちに
東京の魚を食べてもらいたい」

学習の流れ

①  八丈島産の食材を使った給食から興味・関心を高める

指導上の留意点

みなさんは、八丈島でとれたお魚は、食べたことがありますか。実は給食で出てるのです。

ほんとうだ。ムロアジって書いてある。

このムロアジのメンチをみなさんが食べるのに、 八丈島のどのような人がかかわっているでしょう。

漁師さん

漁師さんはそうですね。実は漁業協同組合女性部の人たちもお魚の加工にかかわっているのです。

給食で、出たときに写真などをとっておくようにする。栄養士さんがいる場合は、GTとして登場していただいてもよい。 給食で出たことのない学校は、八丈島の魚を使った加工品や料理を食べてみるという活動から入るのもよい。
 

② 漁師さんの仕事を調べる。

八丈島の漁師さんの話から、とれる魚や工夫や努力を
調べましょう。

とれる魚はムロアジ・トビウオ・キンメダイ・カツオ など

苦労は、台風などで海があれると船が出せないことと
昔はとれた魚がとれなくなってきていること。

工夫や努力は目的の魚がとれないときは、別の魚をとっている。

とった魚の鮮度を保つ工夫をしている。

実際に漁をしている人の話を資料として提示し、工夫や努力に気づくようにする。おいしい魚を食べてもらうために鮮度を保つ工夫をしていることはおさえたい。
  

③ 漁業協同組合女性部の取組を調べる。

これは月に一回漁業協同組合女性部が行っている朝市の様子です。

おいしそう。いろいろなお魚を使った料理が並んでるね。たくさんの人が買いに来てる。

漁業協同組合というのは、漁師さん達の集まりで、みんなで助け合って漁業を支えるしくみです。
漁業協同組合の女性部は、どのようなことをして漁業をする人を助けているのでしょう。

鮮度がいいうちに加工してる。

おいしい八丈島のお魚の食べ方をみんなに知らせている。

給食で食べてもらおうと思っている。

漁業協同組合女性部の取組は、八丈島の漁業を取り上げる上では、絶対に押さえておきたい。「東京の子供に東京の魚を」という思いが伝わるように取組を紹介していくようにする。
  

④ 八丈島の漁業をしている人の思いや願いを考えまとめる。

 

資料の取り扱い

写真 学校給食
ムロアジのメンチカツ漁業協同組合女性部の皆さん

八丈島の周りの黒潮の流れ 漁師さん

漁師さんの仕事

八丈島の近くは、よい漁場なんだよ。黒潮という暖かい海の流れがあることと近くの海に「瀬」と呼ばれる浅い海があることが理由だよ。とれる魚はムロアジ、トビウオ、キンメダイ、カツオなどで、それぞれ漁の仕方が違うんだよ。春のトビウオ漁は夜にやるよ。台風や悪天候で何日も船が出せないことが続くと困ってしまうね。昔たくさんとれたカツオなどがあまりとれなくなったから、かわりに最近はキンメダイをよくとっているよ。とった魚はすぐに冷やして、魚がいたまないように気をつけているんだよ。

漁業協同組合女性部の取組

ムロアジはとてもおいしい魚なのに、すぐに身が柔らかくなってしまうので、遠くに出荷できないんだよ。
どうにかしてこういう魚を利用できないかと思って、ムロアジをミンチに加工してパック詰めして冷凍する方法を始めたんだよ。
こうやって、八丈島でとれた魚をもっとおいしく食べるための料理も考えているうちに、朝市を始めたり、東京の子供たちには東京でとれた魚を食べて欲しいと思ったりしたんだよ。
そのために東京の子供たちに八丈の魚を知ってもらうために出前授業をしたり栄養士さんといっしょにレシピの研究も
しているよ。今では、都内の多くの学校で、八丈島の魚を使ったおいしい給食を食べてもらっているんだよ。



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